
やっぱり猫はかわいいのです。こんなポーズをされたら、もう私はメロメロなのです。女子高生にオジサンかっこいいなんて言われてもこんな気持ちにはなりませんから。はい。
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地獄。現世で悪業を重ねた者が、死後落ちて責め苦を受けるところ。閻魔様という方がいらっしゃいまして、ひとりひとり面接をされて裁かれるのだということであります。
「あ〜、やっぱり地獄に来てしもうたかあ……。まあ、子供の時から悪いことばっかりしてたもんなあ。しかし、地獄っちゅうのはホンマにあったんやなあ」
地獄に堕ちた男が、閻魔大王の面接の列に並んでおります。
「しかし、えらい人数やで。どれくらい悪いことをしたら来るのかわからんけど、死ぬまでひとっつも悪いことしたこのない人間なんておらんからなあ」
順番がまいりまして、閻魔大王の前に座ります。ちらっと見上げてみますと、閻魔大王はそれはもう恐ろしい顔をしております。
うわー、こいつの方がよっぽど悪人顔やがな……。そんなことを考えていると、
「あ〜、じゃんぼよしだであるな?」地響きがするような声。
「はい」
「うむ、道路に這いつくばって猫の写真を撮っているところ、リヤカーに轢かれて死んだと、そういうことであるな」
「はあ、そうだったんですか? 写真を撮っていたのは覚えているのですが、気づいたらここにいましたので……」
「わっはっは。リヤカーに轢かれて死んだというのは、おまえが初めてじゃ。情け無いのう」
「はあ……」確かに情け無い死に方だなと思う。しかし、初めてと言われるとちょっと自慢できるような気もする。
閻魔帳を読んで閻魔様が判決を出します。
「ふむ、さほど悪人でもなかったようじゃな。普通ならばワシが指定した地獄へ行くのだが、おまえには好きな地獄を選ばせてやろう。おい、そこの鬼、こいつを案内してやれ」
好きな地獄などあるわけもないと思うけれど、鬼について行った。
「ここは火の地獄だ」 見ると、大勢が火に焼かれている。
「うひゃあ、熱そうや。あんな火で焼かれたら死んでしまうがな」
「アホか、もう死んでるんだから、ずーっと熱いだけだ」
それは嫌なので、お断りする。
「ここは針地獄であるぞ」
やはりお断りする。
筒井康隆の小説ではウンコ地獄というのがあったけれど……。
そんなことを考えていると、
「猫地獄だ」 と、言われたが、そこにはドアがあって中は見せないという。
「猫がいるのですか?」
「うむ、いるな」
「あの、化け猫とかそういう怖い猫ですか?」
「いや、かわいい普通の猫だな」
ははあ、世の中には死ぬほど猫が怖いというひともいるらしいからな。そういう人間向けの地獄なのかなと考える。しかし、念には念を入れて聞いてみる。
「猫はどんなことをしているのですか?」
「昼寝したり、ひとにかわいがられたりしておるな」
どうやら、問題なさそうである。
「ここに決めます」そう言うと、ドアが開いた。
いろいろな猫がいて、人々が幸せそうに猫たちと遊んでいる。
うひょう、ラッキー。これはまさに天国ではないか。
歩いていくと、ゴツン。ガラスにぶつかった。
本当の天国だった。ガラスの向こうは。猫好きが行く天国。
ガラスのこちら側は地獄。そんな様子を見るだけ。ずっとずっと見てるだけ。
う〜む、落ちが甘い……。
関係ない話ですが、蟻地獄の成虫はウスバカゲロウです。
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